「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります。強風で砂ぼこりが立ち、その砂で目を傷める人が増え、目の不自由な人は三味線をひくから、三味線に張る猫の皮が不足する。 猫が不足すればネズミがふえて、あちこちの桶がかじられ、桶屋が儲かる。一見すると思いもよらぬところに影響が出てくるという意味ですね。正直「なんて無理矢理な展開…」って思っちゃいますが、実際意外な所で物事って繋がっているんでしょうね。今回はそんな「繋がり」や「連鎖」をキーワードにコントを作ってみました。ところで随分昔に「コントや演劇を行う意義ってなんだろう？」って考えた事があります。毎度毎度真剣に、そして丁寧にふざけて僕なりの楽しいものを作っていますが、社会の役に立ている気は全くしません。僕の中での結論は、作品を楽しんでくれた人が仕事を頑張ったり、誰かに優しくなれたりして、その影響を受けた人がまた頑張れる。そんな「繋がり」や「連鎖」が起こってようやく価値が生まれる。要は風桶が起こってこそ、僕がコントを作る意味があるということになりました。この作品を通していろんな風が吹けばいいなと思っていたりします。アナタのご来場を心よりお待ちしております。

​ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作・演出　濱田明良